インディー開発者の“突破口”となりうる
VR対応の新世代ゲームエンジン“Xenko”
Pierre 私たちはポストエフェクトミドルウェアの「YEBIS 3」、レンダリングエンジンの「Mizuchi」といったミドルウェアをすでにリリースしていますが、インディー開発者向けのプロダクトとして現在開発しているのが、C#ベースのゲームエンジン「Xenko(ゼンコー)」です。アプリケーションの出力プラットフォームは、PC・Linux・Android・iOS・UWP。Mac OSとプレイステーション4 への対応も予定しています。
現在はβ版※を無料で提供しており、今冬に正式リリースを予定しています。β版で開発したソフトは、ロイヤリティ、ライセンス料、企業ロゴの表示義務なしで商用ソフトとしてリリース可能ですが、これまで積極的なマーケティングをしてこなかったこともあって、実例はまだ多くありません。
β版のユーザーから寄せられた一番の良い点は、エンジンがオープンソースであること。何か問題が起きた時に、内部で何が起こっているかがすぐにわかり対応できることが、好評をいただいています。あとは、最新のC#に対応していることや、開発者のスキルに応じた作り込みが可能な構造であることが評価を受けているようです。現在開発中のプラグイン機能が実装されれば、アセットやエディターを手間なく追加・配布できるので、ゲーム開発がより効率的になるでしょう。アセットなどのストア開設も検討中です。
東京ゲームショウ2016ならびにIndie Stream Fes 2016に向けて開発された、「Xenko」のデモンストレーション用タイトル『STARBREACH』。3Dグラフィックの表現力の高さを実感できる。
やはりまずは、インディー開発者に使ってもらいたいですね。インディーの皆さんに自由に使っていただき、エンジンをより快適なものにするためのフィードバックをいただければと思っています。現在はVR用の機能を充実させ、もっともVRゲームを開発しやすいエンジンとしての特性を強化しています。OculusやViveなどの主要規格には対応予定ですので、VRに興味のある皆もぜひ使ってみてください。
ここ数年のインディーゲームは、グラフィック系ミドルウェアとゲームエンジンのおかげもあって、ビジュアルがすごく綺麗になり、クオリティがプロフェッショナルに近づいている、レベルアップしていると感じます。それとともに、新しいゲームデザイナーによる、ゲーム業界全体に大きな影響を及ぼすクリエイティブなタイトルが生まれる場でもあります。インディーには、今後も独立性が保たれたままあり続けてほしいと思っています。
Jacqui インディーを尊敬しています。自分の夢を作りあげた人、すごく成功している人もいるシーンなので、これからもどんどん、誰でもゲームを作れるようになればいいなと思います。将来的には、プログラミングが得意ではない方への支援策も用意したいですね。
※2016年9月12日現在の最新バージョンは、グラフィックAPI「Vulkan」のサポート機能などが追加された「1.8」
インタビュー・編集 / 戸塚 伎一
Sponsor Info
私たちの技術力が可能にする感動を多くの人と共有したい。
シリコンスタジオはこの信念を持って、業界にさまざまな革新を起こしてきました。
そして現在、技術力はさまざまな事業へと形を変え発展し、デジタルエンターテイメントの世界に大きな影響を与え続けています。
© Silicon Studio Corp., all rights reserved.



