国内インディーを実のあるものにするためにも「本気ならアンリアル! 」
私たちが提供しているゲームエンジン「Unreal Engine 4」は現在、全世界でおおよそ200万人のユーザーにお使いいただいています。2014年3月に、月額19ドルのサブスクリプションでの提供を公開した時にドーンと増え、その後は、2015年3月の無料化※ 直後にも大きな反響があり、一気に伸びました。お金を払わないと触れない状態と、まったくの無料で試せることの差はすごく大きかったということを、後になってから実感しました。
一般向けライセンスの無料化に対する企業の懸念や反発はなかったですね。かつてUnreal Engine 4を使っていただいている企業の開発チームの悩みは、Unreal Engine 4を使える技術者が少ないことでした。Unreal Engine 4でゲームを1本作り上げた経験がある即戦力型の人材を欲しがっていたのですが、一般向け公開後は、日本全国の専門学校で授業に採り入れられていたりと、Unreal Engine 4を使える人の絶対数が、急激に増えました。そうした状況は、プロ向けを使用している開発会社の皆さまにも喜んでいただけています。学生などの学ぶ側にとっても、「Unreal Engine 4を覚えれば、憧れのあの会社に入社できるかもしれない/あのプロジェクトにかかわれるかもしれない」というところが就職活動などの際の他者との差別化に繋がっていて、そこはすごくいい循環で回っているのかなと思います。
ゲームエンジンの提供以外で力を入れていることとしては、コミュニティーの盛り上げです。
Unreal Engine 4を無料公開して以降、「UNREAL FEST」という勉強会を半年に一度のペースで行っていまして、今年の10月1日にもパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で1,500人規模のスペースで開催します。AAAタイトルを作られているチームの方だったり、インディーの小さなチームの方だったり、あるいはゲームではなく映像系やシミュレーション系の方とかにも講演いただいているので、そこでいろんな知見をユーザー間で共有していただいたり、あるいは、ユーザー同士の横のつながりを持っていただいたくことを促進できればと考えています。
フォトリアル系から日本アニメ風のエフェクトが入ったスタイルまで、圧倒的なビジュアル・クオリティで表現できるのが最大の強みであるUnreal Engine 4。ビジュアルインターフェイスのロジック構築ツール「ブループリント」を用いることで、コードを書けない人もある程度の水準でゲーム制作が可能となる。「社内でも(ブループリントの)大ファンが多くて、実際にEpic Gamesの本社で開発中の複数タイトルでも主力ツールとして使われています」(河﨑氏)
私たちがIndieStreamFesのスポンサーをやらせていただくようになったのは2回目(2014年)からですが、国内インディーが思っていたほどの盛り上がりをみせていないな、というのが正直な感想です。アマチュアレベルで作られている方が増え、すそ野は確実に広がっていると思います。ただ、ビジネスレベルに達している個人デベロッパーさんはもっと出てくるはずだったし、出てきてほしかったんですけど、全体を見る限り、(国内インディーが)ゲーム産業の一部を担う存在になっているというには、ほど遠い印象です。エンターテイメントって、結局は時間の奪い合いなんです。AAAタイトルにグラフィックやゲームのボリュームで勝てないのは当たり前ですが、「ここだけは負けない」という一点突破の要素があれば、そういったタイトルを放っておいて遊んでくれるユーザーも、もっと出てくるはずです。
私たちが応援したいと思ってるのは、自分でゲームらしきものを作ってみて「楽しかった、終わり」ではなく、リリースして販売して……という出口を見据えて、本当の意味でゲームクリエイターになろうと考えている方です。その意味で「本気ならアンリアル!」というキャッチフレーズのもと、幅広い活動をしていきたいと思っております。
※一定の売り上げ条件を満たした際にロイヤリティ徴収
インタビュー・編集 / 戸塚 伎一
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