
去年は「独立せよ」などと言って、盛り上がる空気に水を差すような挨拶を書いた気がする。
2013年から始まったこのIndie Stream Fes。私はといえばあのころ発表したゲームを未だに作り続けている。思えばあの頃の私は輝いていた。人生のピークだったのかもしれない。
年々ここで訴えてきたのは「インディーゲームブームと言っても中身が伴わないんじゃいかんよ」ということ。
インディーゲームのイベントや集まりは増えてきたが集まってみれば大体見たことある顔でいつもの飲み会になりがち。そういった意味では、開発者同士の横つながりやメディアやパブリッシャーと話す機会を増やすことが目的だったこのIndie Stream Fesも役割を終えたのかもしれない。
幸いなことにいつものメンツの飲み会の中でも、その中に稀に新しい作家・作品が出てきてはいるようだ。
北米などを中心に何年も前からインディーゲームブームが起こり、iTunes Storeの開始も2年遅れたことに憤慨していた自分は「このブームも遅れるのかよ!」とすさんでいた。その後遅れるつもりはねぇよと言わんばかりの業界の盛り上がりが起こり、「このタイミングでリリースできなきゃ!」と奮起するもいつものペースでご存知の様である。
作られたモノがあってこそのブームだと思うので、盛り上がっている時に上質な作品が連続して出てこないといけないのである。海外で日本のインディーゲームで何を知ってる?と聞いてCave StoryとかLA-MULANAが未だに出てくるようではダメなのだ。それ作ったのはもう40のおっさんなのだから。
だからとにかく新しいモノだ。せっかくの開発者中心のパーティーなのだからどこのイベントやミートアップよりもたくさんの新しいものが見たい。
アワードやライトニングトークで見たことない新しいモノが見たい。東京ゲームショウに出展してない人でもタブレットでデモムービーや開発中の新しいモノを持ってきてもらいたい。Indie Stream Fesが存在意義を見いだせるかどうかはそこにかかっていると言っても過言ではないはず。
てなことを東京ゲームショウインディーブースにて4年連続同じ作品を展示し続けている人間が言っていることこそ滑稽である。
今年のISFは、何か転機になるものであらんことを。
NIGORO 楢村 匠
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